※ゲームやマンガのタイトルロゴデザインの作り方。<前編>
※ゲームやマンガのタイトルロゴデザインの作り方。<中編>
ロゴデザインの準備について、<前編>ではヒアリングから方向性の打ち出し方、<中編>ではアイデア出し、ラフスケッチについてお話をしました。今回の<後編>ではラフのデータ化からさらなる展開、仕上げについてお話します。(諸事情により画像に文字をのせておりますがご容赦ください)
トレースしてデータ化する
ラフスケッチからアイデアをピックアップし、それらの清書ができたら、いよいよデータ化していきます。まずはスキャンしてからIllustratorでパスを切ってベクターデータを作ります。手書きの段階でできるだけ丁寧に仕上げておくと後の作業が楽になりますので、直線は三角定規を使ってキレイに引きます。今時のデザイナーは三角定規の使い方は知らないかも。これができずに先輩にさんざん怒られたっていうのはベテランの話。
三角定規は2枚を合わせて平行に移動させながら線を引きます。
スキャンデータをAdobe Illusutratorで開いてトレース(マゼンタの線)。同じデザインの所はパーツをコピーしながら使うと整え易く、「セリフ」の部分など左右対称のものは半分だけ作ってコピーすることで正確に対称にできます。線のデータを見ながらバランスがおかしければ都度調整します。
●参考:楽器擬人化プロジェクト MUSICLAVIES(ミュージックラヴィス):タイトルロゴデザイン
トレースしたパーツを組み合わせてさらに展開する
文字部分や組み込むアイテムなど各パーツのデータ化が完了したら、異なるバランスや要素の組み合わせを作ってデザインを展開します。まずはラフで作った形を作りつつ、別の案に使用する要素もコンセプトが崩れなければこだわらずに組み合わせを様々検討していきます。色はとりあえず仮で入れてます。
波の要素を入れたり、文字組のパターンをいくつか試してみたり。
こういった作業をそれぞれのプランに対して行い可能性を探ります。まだ細かい所はこだわりません。
世界観を表現するためのパーツ類。ロゴタイプ(文字)部分と組み合わせをいろいろと試します。
こんな感じ出ロゴタイプ(文字)とパーツ、文字組などを展開。
●参考:ソーシャルゲーム タイトルロゴデザイン:大航海ユートピア GOLDEN VOYAGE AGE
提出プランを選定する
ここまで来たら提出プランを選んでいきます。ご依頼の内容や予算などによって提出するプラン数が異なります。この段階で多めに提出して、選んでもらったプランを仕上げていく場合もありますし、このまま仕上げまで行ってから提出する場合もあります。提出の方法もクライアントの要望に合わせて対応します。プランを選ぶ基準としては作品の世界観やコンセプトが表現できているか、新しさや強い個性を持っているかということと、いろんな場所で使用されることを想定して汎用性があるかなどを検討します。版権画像やメインビジュアルなどの絵素材がある場合は実際にロゴを絵にのせてみて収まりをチェックすることもあります。
カラーやテクスチャー表現でロゴを仕上げる
提出プランの選定が終わったらいよいよ仕上げに取りかかります。仕上げ方については、クライアントの希望、表現すべき作品の内容、ゲームなのかアニメなのかマンガなのかなど媒体の違い、トレンドなどによって様々な方向性があります。ゲーム関連だと存在感のあるリッチな方向が多いですし、週刊マンガなどの場合は本誌の紙質があまり良くなく、印刷で表現できる限界が低くいためにシンプルな表現が求められます。アニメはその中間的な感じでしょうか。カラーバリエーションやテクスチャーの質感表現でも、ロゴの印象がかなり異なってきますので、それぞれのプランに対していくつか展開した上で最終プレゼンテーションを行います。
カラーやテクスチャー表現でバリエーションを展開し、最終的な方向性を探り完成まで仕上げます。
●参考:ラグナストライクエンジェルズ
最終調整をしたらようやく完成!
プレゼンをした後に、クライアントからの意見、ご要望がある場合はそれらに対応し、調整を完了したらようやく完成です。場合によっては、同系色背景の場合、モノクロ、横長レイアウトなど使用用途に合わせたものを作成したり、使用レギュレーションを設定することもあります。ここまでやる場合はもう二仕事くらいある感じですね。以上、タイトルロゴデザインのおおまかな進行や考え方のご紹介でした。それぞれの工程の中に細かなテクニックなどもありますので、今後また別の機会にお話したいと思います。
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