マンガ タイトルロゴデザイン:渡り鳥とカタツムリ

高津マコト先生 作

2019年10月29日よりebookで連載が開始されたWEBマンガ「渡り鳥とカタツムリ」タイトルロゴデザイン。

ワンボックスカーを改造し、車中泊をしながら自由に生きる女性と、仕事に行き詰まり逃避していた青年が出会い、一緒に旅を始めるという物語。タイトルの「渡り鳥」は転々と各地を旅する象徴、巻き貝の家を背負いながら移動する「カタツムリ」は車中泊の旅、そしてあせらずにゆっくり進んで行く生き方の象徴のようにも思えます。

ロゴデザインの方向性としては、きっちりしたロゴではなく、自由気ままな雰囲気、良い意味での「ゆるさ」を出すために、手描き文字で制作することを担当編集者の方と共有した上で実際の作業を進めました。

手描き文字は一文字作るのにもの凄く時間がかかるものではないのですが、雰囲気勝負のため、逆に狙って作れない部分があり、心をロゴのイメージにシンクロさせて、無心で沢山書くしかなかったりします。

 

渡り鳥とカタツムリロゴデザインラフ画像

 

様々なタッチをだすために、数種類の筆、カリグラフィー用のパラレルペン、サインペン、濃度を変えたインクや墨、種類の異なる紙などを使って試行錯誤しているのですが、今回は秘密兵器として新たにガラスペンを購入。いろいろな案を提出した中で、結果的にガラスペンで書いたものが採用となりました。

ガラスペンは太さを出すのが難しいのですが、今回はPhotoshop上で少し調整してから一旦AIデータに出力し、滑らかさを出しつつデザイン的な要素を追加してさらにいくつかのプランを提出しました。

車をアイコン的に組み込んだタイプもデザインしましたが、あまりそういった要素を追加していくと、手描きの素朴さと相反してしまうため、最終的にはシンプルなプランが採択されました。

 

ロゴデザインに合わせて、扉のデザインも承りました。

渡り鳥とカタツムリ扉絵

 

全体に、ロゴと同様に力んだ感じにならないよう、「ヌケ感」を出しつつ、品格が下がりすぎない感じを目指しています。

当初「新連載」「渡り鳥とカタツムリ」「Presented by 高津マコト」の要素を、上段のアキスペースに中央合わせで並べたのですが、それだとマジメ過ぎて雰囲気がカタくなるように思いましたので、ロゴをやや斜めに振ってゆるさを出し、先生のお名前を中央に真っ直ぐ置くことで締める感じにレイアウトしました。

コピーも同様に、曲線状に並べてふんわりした感じで流しつつ、「鳥」から「カタツムリ」に渡して、両方のイラストにも目が行くような狙い、書体も手描き風のゆるいもの、あまり力強くないものをテイストに合わせてチョイスし、視認性を考慮しつつ、安っぽくならないよう、二重のフチどりを施しています。


©MAKOTO TAKATSU / WANIBOOKS

出版社:ワニブックス

渡り鳥とカタツムリバナー

コミックガム掲載ページ>「渡り鳥とカタツムリ

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